2020年02月19日(Wed)

風車式エルゴマシンの感想

先日のエルゴ選手権で使用されていたDansprint社のエルゴマシンを数回漕いでみて、実際に水上で漕いでいる感覚や自分の試作マシンの感覚と比べた感想です。
感覚なので、人によって違うかもしれないけど。

このエルゴマシンの負荷は風車を使っていて、おそらく世界最高のマシンなんでしょうね。
風車としてはシロッコファンのタイプになります。

DSC_0146.jpg

空気の出口を塞いで流れを抑制することで重たさを調整している。
漕いだ感覚としては水上の実際の漕ぎに比べてキャッチが柔らかく、加速時のパワーのかかり方も時間差でかかる感じがしました。
水と空気はどちらも流体ですが、水は液体でほとんど圧縮できないのに対し空気は気体なので圧をかけると収縮する性質があります。
空気のクッション的な性質によって柔らかにパワーがかかるのだと思います。

そのキャッチが柔らかいためか?レースでのペース作りが難しかった。
200mの種目でしばらくの間200ワットの出力を維持できたけど後半は落ちてきて、200mの平均出力は予選で180W-53秒53、決勝で187W-52秒58。
頑張れば200Wくらいまで上がるんだけど、持続は無理だった。
種目が1000mになると後半かなりへばって平均80W台まで落ちました。

負荷のかかり方が柔らかいので、レースでは前半に自分の感覚以上にパワーを使っており後半が辛い。
利点としては負荷が柔らかく効くので、たくさんトレーニングを積んでも体を痛めないことで、良いエルゴだと思います。
カヤックトレーナーでも負荷が柔らかくかかるよう設計していますが、水か空気か、どちらも再現できるようになればいいですね。

風車のカヤックエルゴでワット数はどうやって計るのか?
力を測定するようなゴッツイ測定機もないし、ワット数はどうやって分かるの?
風車のエルゴでは、漕ぎを止めて惰性で回転しているときの風車の減速具合を測定しています。
(空気の出口を塞げば負荷が重たくなって風車は速く止まるようになる)
フリーで惰性で回る時の減速の速さと風車の重さ(慣性モーメント)から、止めようと働いている力が計算で求まる。
風車には回転量を測定する"エンコーダー"という部品が入っていて、コンピューターは常に回転速度が分かっている。
フリーで減速している時に負荷の重たさのレベルを測定し、加速しているときに漕ぎのパワーを測定します。

簡素なメカだけで計算していて、「なるほどな〜」とうなずいてしまいます。
しかし、完成度を上げるためには精巧な加工、デザイン、力学、コンピューターといった複数の技術を駆使する必要があるので、長い歴史から熟成されたマシンなのだろうと思います。

これに負けないカヤックトレーナーができればいいのですが。
今はプログラムの開発をお休みして3Dプリンターの樹脂の強度をいろいろ試しています。
良い樹脂が見つかりました。

posted by エイ at 06:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | エルゴメーター