シーカヤック本格シーズンまで間があるので、新しいレスキューグッズを検討しています。
→ 入手しました。続編記事は PLBの無線免許申請
シーカヤックの救援要請に決定的なグッズが使えるようになりました。
それは”PLB” (個人用の遭難信号発信機:Personal Locator Beacon)
PLBが発する遭難信号は人工衛星によってキャッチされ、救助機関(海上保安庁)へ伝達されます。
衛星経由なので、日本の全海域で有効です。
(世界共通の船舶救助システムを利用するのだけど、国別の電波法規があるので海外品は基本的に使用できない)
衛星経由なので、日本の全海域で有効です。
(世界共通の船舶救助システムを利用するのだけど、国別の電波法規があるので海外品は基本的に使用できない)
日本国内仕様の製品が、ResQLink+ PLB ACRレスキューリンクプラスです。
PLB製品情報:http://plbjapan.wixsite.com/plb1
税別価格で46,000円、無線局登録の申請料が4,250円 です。
こんな便利なものが使えるようになっているんですね。
5万円で安全を担保できるのだから、海へ出る人は迷わず装備しても良いのではないかと思います。
以下、このシステムが実際に運用されているのか、確かめたことを書きます。
PLBを起動させたときの、情報伝達と救助の流れをまとめてみました。
1 遭難者がPLBを起動する(アンテナをセットして起動ボタンを1秒間押しつづける
3秒おきにPLBのフラッシュランプが点滅し、上空の人工衛星に向けて405MHz、5Wのパワーで発信し始める
GPSの位置情報、個人の識別情報も伝えられます
2 静止軌道衛星と低軌道衛星、二つのシステムのコスパス・サーサット衛星がPLBの信号をキャッチ
GPSの位置情報、個人の識別情報も伝えられます
2 静止軌道衛星と低軌道衛星、二つのシステムのコスパス・サーサット衛星がPLBの信号をキャッチ
遭難信号はただちに遭難信号地上受信局(LUT:Local User Terminal 日本では群馬県に設置)に送られます
3 地上受信局が受信した信号は、霞ヶ関の海上保安庁本庁で分析され、管区海上保安本部又は羽田RCC(救難調整本部)に伝達される。
4 救助の開始
GPS位置情報により救助隊は付近に到着し、PLBの121.5MHzの電波を直接受信し、電波の来る方向に向かって捜索する。
どの方向から電波が発信されているかを調べながら、遭難者を発見する。
という仕組みになっています。
第九管区海上保安部(新潟)に電話で問い合わせたところ、間違いなく上記の伝達システムになっていることを確認しました。
PLBの製品仕様
・本体は防水性あり、浮力あり
・PLB本体を取り出して起動させれば、世界のどの海域からでも確実に遭難信号を送ることができます
・バッテリーは24時間の作動で尽きます(交換可能なリチウム電池)
・バッテリーは使わなくても5年で交換する必要がある
PLBの使い方はこちら http://www.seaplaza.jp/hpgen/HPB/entries/44.html
起動方法の動画はこちら
PLBの管理責任
遭難信号を発する無線機器なので、運用・管理上の注意があります。
・海上の遭難以外には絶対に使用してはいけない(陸地での遭難には使えない)
・誤って一瞬でも起動してしまった場合は、118(海保)に誤作動の連絡をしなければならない
・無線局登録の更新(5年)の手続きが必要(更新を忘れると、識別リストから除外されて遭難信号が無効になる、または罰則がある)
・廃棄時の責任として販売業者に引き取ってもらうことが推奨されている。
どういう風に携帯するか?
荷室はダメですね、考えれば分かります。
PFDのポケットがいいですね、自分とPLBが離ればなれにならないことが大事。コーミング内のデッキの下、レスキューバッグに入れてマジックテープで留めるのはどうかと思ったけど、ダメですね。
想定外のこともあるので、体から離さないことを考えるべき。
最後の砦として衛星携帯電話を準備したこともあったけど、これからはPLBですね。