2021年02月20日(Sat)

先端素材:セルロースナノファイバー

ちょっと運動しただけですぐ息切れする。
そういえばコロナ感染の初期症状に、そういうのがあったような?あせあせ(飛び散る汗)

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以前、「カーボンナノチューブ」という先端素材の記事を書きました。
今度は「セルロースナノファイバー」の話です。

−−−強度は鉄の5倍で重さは鉄の5分の1−−−
「セルロースナノファイバー」って僕も最近になって知った名前なんですが、すごく良い素材です。
既に実用化が始まっており、これから需要が増えると期待されています。

これは植物繊維の主成分であるセルロースを超極細にナノレベルまで細かくほぐしたセルロースファイバーで、ナノセルロースとも呼ばれるバイオマス由来の新素材です。
軽くて強い、温度変化による変形も少ない特性を持っており、多くの分野での利用が期待されている。

タイヤメーカーが「セルロースナノファイバー」を配合したタイヤを開発している。
自動車車体などが鉄からCNF配合強化樹脂に換われば、軽量化による大幅な燃費向上が可能となる。
まだ部分的に配合されるような使い方ですが、これが大量に作れるようになれば話が変わってくる。

木質系で鉄より強い素材!
このスーパーな素材が2030年には1kg 500円で作れるそうです。
人類は金属とプラスチックに囲まれた時代に決別できるだろうか?
この大問題に決定打になるかもしれない素材ではないでしょうか?

かつてよく利用されていた竹は、需要が減って日本中で管理されなくなった竹林が伸び放題の放置竹林となっている。
竹は植物繊維の含有量が多いので、放置竹林の竹が「セルロースナノファイバー」の材料として注目されている。
材料が植物由来なのでCO2を排出しないカーボンニュートラルであるし、放置竹林の解消にもなるというダブルで良い先端材料です。

参入メーカーは既にこの様な製品開発を始めている。
CNF(セルロースナノファイバー)を原料とするコンセプト商品
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2021年02月18日(Thu)

残念な技術 −雷センサ−

素晴らしい技術なんだけど、使うにはちょっと足りないものがある、という技術に出会うこともあります。

雷の接近を検出できる「雷センサ」のICを見つけました。
AMS社の Franklin Lightning Sensor、型式はAS3935。
検出距離は最大40Km。
こんな小さなモジュールで遠くの雷の接近を検出できる。
シーカヤックのカミナリの警戒に使えるのではないかとチラと思ったのですが。
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雷の接近を検出する原理は、雷で発生する電波をアンテナで受信するというもの。
研究によって雷特有の電波を見分けることができるようになった。
電波の受信状態から、雷発生の頻度と距離が分かる。
距離も特定できるところが素晴らしいです。
時間があれば実験してみたい。

けれど、どの方角に雷がいるの?
雷から離れたいのに、退避行動で向かった方角に雷がいたなんてことも?
アンテナに指向性を持たせてみたら、雷の方角まで分かるだろうか?

面白そうでもあり、苦労しそうでもある。
やはり人間の耳で何とか聞き分けた方が手っ取り早い。
カヤッカーにとっては、やや残念な技術でした。

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2020年10月23日(Fri)

コロナにも負けず雨には負けて

冷たい雨のせいか?仕事で机に座りっぱなしだからか?腰痛が出てます。
漕いでいると感じませんね、でも頑張って漕ぐと腰痛も顔を出す。
腰痛の原因はと、記憶を遡ってみると先日しゃがむ作業をしたからか、机に9時間座りっぱなしだったからか?
寒い雨の日が続いているせいか?少し続きそうです。

コロナにも負けず決行する「河北潟自然再生まつり」、日曜日はカヌー体験のテントを出すので、腰痛には早く収まって欲しい。
今回は助っ人がB&Gの2人艇を持ち込むらしいが、これはかなり強力ですね。

そういえば2月の「エルゴ選手権大会」もパドルやシートのアルコール消毒していましたが、今回のカヌー体験も入れ替え時に器具やコックピットのアルコール消毒をやります。
傍クスリのアオキ薬局にてアルコールスプレー4本仕入れた。
雨でカヌー体験が流れたら不良在庫になっちゃうけど。
お天気の雲行きが怪しいので、どうなりますか。

日曜日が来る度にやるせないのが、母親との面会ができないことです。
認知症がひどくてだいぶ前から入院しているのですが、コロナ禍の為に面会禁止が続いているのです。
入院前は大変な思いもしたけれど、今は面会もできなくて申し訳ないやらやるせないやら。
どこも長男は苦労するみたいですね。

「アフォーダンス」という言葉、聞いたことありますか?
突っ込みたくなるような言葉ですがあせあせ(飛び散る汗)
カヤッカーでなくても、スプーンの様な先っぽの棒を見ると、無意識にそれは液体を掻く道具だと分かる、アレです。
ドアノブは、ドアを開ける為の取っ手としか見えない。
つまり、人は見てきたものの経験から、それが何かを無意識に瞬時に認識していることを「アフォーダンス」と言います。

今日は「サイエンスカフェ」で「人の行動を促すためのインターフェースデザイン」の話を聞かせてもらいました。
「サイエンス・カフェ」というのは、研究者の専門知識を分かりやすく一般人に聞かせる御茶会ですが、以前は喫茶店やバーなどで少人数で開催されていたものが、コロナ禍の為にWeb会議形式で開かれるようになりました。
おかげで田舎に住む身でも簡単にZoom上の「サイエンスカフェ」に参加できるようになりました。

で、何で「人の行動を促すためのインターフェースデザイン」の話を聞くことになったかと言うと、制作中の「カヤックトレーナー」のメニュー画面でGUI(グラフィック・インターフェース)をどのようにデザインすればストレスなく使える物になるかという予習なのです。
良いデザインは、人を動かすのに、自然に人がそうするようにできている。
つまりマニュアルが要らない。
そこで「アフォーダンス」が出てくるのです。
そのお話をしてくれたのが、かつてカーナビの案内画面をデザインしていて、今は大学の先生をしている研究者でした。
カーナビの話も聞けたり、デザインの考え方を聞けたり、今日はそんなお話しの「サイエンスカフェ」でした。

いろんな「サイエンスカフェ」が開かれているので、興味あったら聞いてみるといいですよ。
サイエンスカフェ・ポータル https://cafesci-portal.seesaa.net/

posted by エイ at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンス

2014年09月03日(Wed)

世界最強の素材「カーボンナノチューブ」を知ろう!

おじさん達の社会勉強のお時間です。
これから「カーボンナノチューブ」という言葉を耳にすることがあると思うので、すこし予習して若者にうんちくを語りましょう。

医学界の世界的大発見であるiPS細胞を最初に作った山中教授はノーベル賞を受賞しましたが、産業界にもそれに匹敵する大発見があります。
強度は鋼鉄の数十倍の強さを持ち、しなやかさはいくら曲げても折れず、薬品や高熱にも耐え、胴の100倍も電流を流すことができ、シリコンに勝る半導体としてコンピュータを高性能にし、エネルギー問題を解決する可能性まで秘めている。
そんなスーパーな材料「カーボンナノチューブ」が、1991年、日本の飯島澄男氏(現NEC特別主席研究員、産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センターセンター長、名城大学大学院理工学研究科教授)によって発見されました。
(飯島澄男氏はノーベル賞候補だそうです)
その大発見以来、カーボンナノチューブの製造や応用について研究が進められています。

カーボンナノチューブは、その名の通り炭素原子が円柱状に結合して出来るナノサイズのチュ−ブです。
イメージ図(Wikipediaより:電子顕微鏡でもこのようにはっきりと見えないが確認は出来る)
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応用としては、自動車のバンパーやテニスのラケットなどで構造材として使われ始めています。
未来の応用としては、超高速のスーパーコンピュータなどもありますが、宇宙エレベーターの構想をご存じですか?
その名の通り、宇宙空間から地上までケーブルを垂らして、それで地上と宇宙を行き来しようというもの。
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その最大の難関が、どんなケーブルを使っても自重に耐えられず切れてしまうことでした。
理論上は、地球の重力と自転の遠心力が釣り合ってケーブルは固定可能のようですが、鋼鉄のケーブルでは50km垂らすと自重で切れます。
宇宙エレベーターを作るためには5000kmでも切れない強度が必要だそうです。
しかし、カーボンナノチューブでケーブルを作れたら、宇宙エレベーターができるかもしれません。

課題
製造の難しさがあり、現時点では長いチューブや自由な形状にすることが出来ません。
長さは最大でも数ミリ程度。
したがって、車のバンパーなどに使う場合は材料に細かいカーボンナノチューブを混ぜて強度を向上させるようです。
これがどんな形でも作れるようになれば、産業革命に匹敵する可能性を持っています。
この先の成果が楽しみです。

もっと知りたい人はウィキペディアを参照
発見者の飯島さんは電子顕微鏡の研究者でもあり、天才的な洞察力の持ち主のようです。
発見者自らがカーボンナノチューブについて語る(NECのホームページ

炭素繊維[カーボンファイバー]との違い
物質の構造が全く異なります。
カーボンナノチューブは純粋に炭素原子のみで構成されるのに対し、炭素繊維はアクリル繊維などの原料を高温で炭化して作った繊維であり、炭素の他にも不純物が混ざっています。


−−−健康被害を及ぼす恐れ−−−
カーボン・ナノチューブ技術を用いた製品は、アスベストに似た健康被害を及ぼす可能性があることが報告されています。
自分で加工して何かに使いたい場合は注意が必要です。
日本では取り扱い者の健康を保全するために、「安全性試験手順書」と「作業環境計測手引き」が NEDO、技術研究組合単層CNT融合新材料研究開発機構、産業技術総合研究所らにより作成されています。

−−−カーボンナノチューブのもう一つの顔(2019/04/20 追記)−−−
冒頭で「エネルギー問題を解決する可能性まで秘めている」と書きましたが、ここまでは機械構造的な話で終わっていました。
ここから構造的・化学的性質がもたらす技術革新について分かったことを書きます。

カーボンナノチューブの機械構造以外の優れた特性とは
カーボンナノチューブには媒体中に少量を含有させることで3Dの導電性ネットワークを持つ(つまり立体的な電子の通り道ができる)という性質があります。
ところでカーボン(炭素)は電気を流す導体です。
高性能なリチウムイオン電池にも負極の導体としてたくさん使われています。
またセンサーの微弱な信号を伝送する特殊な信号ケーブルのシールド剤としても使われるなど、産業・生活のハイテク技術を支える材料です。

リチウムイオン電池の構造(東海カーボン株式会社の資料画像より)
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このカーボン(炭素)をカーボンナノチューブで代替えするとどうなるか?
従来より少量の材料でさらに高性能な導体として置き換えが可能になります。
リチウムイオン電池は従来より軽く高性能になった(といってもエネルギー密度の限界は超えられないが)。
センサーの微弱な信号を電送する同軸ケーブルも性能が上がった。
さらに究極の二時電池と言われる「リチウム空気電池」(電極にカーボンナノチューブ使用)の開発が進められています。
現行リチウムイオン電池の15倍の性能だそうです。(そんなんできるんですね!)

実際にはカーボンナノチューブの粉体は扱いにくい材料なので、材料メーカーがフィルムに塗布したり液体に混ぜたりして提供しているようです。

−−−潤滑剤としての利用−−−
頂いたコメントで知りましたが、さらにさらに、潤滑剤に混ぜることで優れた潤滑剤になるようです。
民生用の市販潤滑剤スプレーなんかも出ていました。
このスプレーはどうなんでしょう?使ったことありませんが。
使われている例として載せました。

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構造的にはナノサイズの硬い強靱な物という認識ですが、どうして潤滑の役目をするのだろうか?
疑問に思ったので潤滑の仕組みを調べてみます。
潤滑剤というとまずオイル、グリ−スが頭に浮かびます。
石油由来の油、つまり滑らかな液体。
ここに敢えて小さな固体を入れるのははぜか?

潤滑剤を調べてみると、液体(オイルなど)、固体(フッ素スプレーなど)、液体・固体混合タイプ、グリース(液体中にスポンジのような成分がある物)と、種類があることがわかりました。
金属表面は滑らかに見えても細かい凹凸があり、金属同士が接触して動くと凹凸のために摩擦やきしみ音が出る。
潤滑剤は金属間に入り込んで金属の細かな凹凸間に隙間を作るそうです。
フッ素は滑り性のある物質ということは知っていましたが潤滑剤の主原料にもなっていたんですね。

では改めてなんでそこにカーボンナノチューブなのか?
機械可動部の潤滑剤は注入後しだいに減り、金属間の隙間がなくなってしまいます。
潤滑剤が僅かに残っていて隙間が無い状態を「境界潤滑」と言うそうです。
境界潤滑というのは潤滑剤が枯渇して金属同士が擦れ合う悪い状態ですね。
潤滑剤の中に優れた滑り性の物質があれば、金属同士が圧を持ってぶつかり合っても、少量の滑る物質によって摩擦を小さくできるようです。
潤滑剤の中にこのような少量でも滑り性を向上させる添加物をいれると「境界潤滑」になってもある程度の潤滑ができるということです。
この添加物としてカーボンナノチューブが優れているらしいんですね。
ナノダイヤモンド(粒子径は4〜6nm程度で最も小さなダイヤモンド粒子)なんかも使われています。

ダイヤみたいな硬くて強い物が滑りに良いのか?
逆に金属を削るんじゃないの?
と思いますよね、普通。
ところが重要なのは金属同士の直接接触を防ぐことが機能のポイントなんだそうです。
イメージ的には重い物を運ぶときのコロを想像すれば良いのかな?
ナノサイズの世界になると、普通サイズではぶつかる、削れる、ガタつくといった性質が消えて、滑る、転がるといった性質に変わるのでしょうか?
不思議な世界です。
posted by エイ at 12:07 | Comment(13) | TrackBack(0) | サイエンス

2014年03月24日(Mon)

新技術:食品の通電加熱

少し前から使われるようになってきた食品の加熱方法らしいのですが、
今日初めて聞いて、驚いちゃいました。

「産業技術の芽シーズ発表会」というものが、県の産業振興センターでありました。
大学等の研究機関が成果を発表して、社会に売り出す場の一つなんですが、僕たち技術者にとっては先端技術の知見を深め、面白い話も聞くことが出来ます。
その中で、ちょっと面白い話を紹介します。

食品に電気を流して暖めるという食品加工方法があるのです。
(例えばニクロム線に電気を流すと熱くなるように、イチゴに電気を流して加熱しジャムにする→イチゴが発熱体になる)
世界中で始まっている調理方法らしく、国内では三陸の食品加工会社(かまぼこ)などで使われています。

電気が流れるとジュール熱を発することは、昔から知られているので、新しい発明ではないけど、食品に電気を流して食品自体が発熱体になるという調理の発想は、ちょっと驚きました。

(図)食品加工機メーカーの製品(食品は通過するだけで加熱処理が終わる)
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この方法は優れている点が多くて、注目されているのです。

第一に、かき混ぜる必要がない。
通電した食品の温度は全体が均一に上昇するので、かき混ぜなくてもよい。
したがって食品の生産会社は、加熱・殺菌の工程で、かき混ぜる機器や手間を省き、短時間に加熱処理できる。

第二に、材料内部の深部まで均一に暖まる。
醤油やお酒など、発酵食品を作る過程で酵母を暖めますが、この手法は酵母という小さな部分も均一に暖めることが出来るので、従来に比べて発酵に達する時間が速くなる。

そして何よりエネルギー効率が良い。
投入電力のほとんどが材料の加熱に使われて、エネルギーのロスが少ないです。
これは、食品会社の加工コスト削減に貢献します。
東日本大震災の復興現場でも、食品工場の再建時に導入されているようです。

いやあ、驚きました。
近代的調理器の電子レンジや、IHクッキングは普及しましたが、
そのうち、家庭用に通電加熱調理器が出るかもしれませんね。
(電極が露出するから、家庭用は難しいだろうね)
posted by エイ at 20:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンス

2013年12月19日(Thu)

電池の話

昨日、金沢工業大学での講演を聞いてきました。
エネルギー利用に関する講演で、リチウムイオン電池の話があったのですが、
家庭用にも蓄電システムとして
リチウムイオン電池が使われてきており、これからどんどん身近な物になっていくでしょうという話。
リチウムイオン電池は高性能だが取扱が難しい電池で、過充電になると発熱し、最悪は火災や爆発に至る。

panasonicは、小型リチウムイオン電池を来期は倍増する予定で、米テスラモーターズへの電池の納入も行っているそうです。

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日産のリーフが100kmチョイなのに対して、テスラのモデルSは航続距離500kmの電気自動車。
リチウムイオン電池が大量に使われている。
中に入っている電池は、16550というタイプの円筒型電池で、、単3乾電池の一回り大型の物です。
これが、モデルSの中に推定1万個入っているらしい。
単3みたいな電池で走っているなんて、プラモデルみたいな話ですね。
もちろん、メカや電子制御は最先端なんですが。

新しい物に飛びつくと、ちょっと痛い目を見るかもしれません。
電池の安全性については、どうなんでしょう?
「安全です」といわれてもねぇー。
どこまで安全か?そこには限界があって、その時の対処も考えてあって初めて安全と言えるのでは?
シーカヤックもそうですよね!

今日も”ほぼ日シーカヤック”を見に来てくれてありがとうございます。
我が家の充電池は”エネループ”、SANYOの時代からずっと使ってます。

posted by エイ at 08:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンス